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公爵と侍従の攻防 Ⅱ

Auteur: エチカ
last update Date de publication: 2026-05-02 07:45:53

「それで? ウケイ殿には何か妙案が……」

「彼を利用するつもりですか?」

「利用?」

「貴方は手段を選ばない所がおありだ」

「まぁ、そこは自負していますが、利用とは聞こえが悪いですね」

「では何故、番等と言い出された?」

「愛しいから、では理由になりませんか?」

「愛しいだって?」

「えぇ……それ以外の理由としては、先に申した通り彼の安全を考えた上での最善の措置だと思ったのですが……貴方に奪われてしまった」

「特警と一緒に動くとなれば余計な危険も増えます」

「貴方の提案に意義はありませんよ。私は盤上遊戯で貴方に勝てた事は一度もない」

「私を出し抜いておいて、よくそんな事が言えますね」

 そう言ってウケイは呆れた様に笑う。

 確かに、ウケイに知られると面倒だと思っていた。

 国中の民にハッタリをかます様なこの番契約を、完璧主義の彼が反対するのが分かり切っていたからだ。

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  • 魔女ドーラの孫(仮)   公爵と侍従の攻防 Ⅱ

    「それで? ウケイ殿には何か妙案が……」「彼を利用するつもりですか?」「利用?」「貴方は手段を選ばない所がおありだ」「まぁ、そこは自負していますが、利用とは聞こえが悪いですね」「では何故、番等と言い出された?」「愛しいから、では理由になりませんか?」「愛しいだって?」「えぇ……それ以外の理由としては、先に申した通り彼の安全を考えた上での最善の措置だと思ったのですが……貴方に奪われてしまった」「特警と一緒に動くとなれば余計な危険も増えます」「貴方の提案に意義はありませんよ。私は盤上遊戯で貴方に勝てた事は一度もない」「私を出し抜いておいて、よくそんな事が言えますね」 そう言ってウケイは呆れた様に笑う。 確かに、ウケイに知られると面倒だと思っていた。 国中の民にハッタリをかます様なこの番契約を、完璧主義の彼が反対するのが分かり切っていたからだ。 公爵は今までの自分の行動がウケイに疑念を抱かせているのも重々承知している。 若い頃、多くのトラブルに見舞われて、Ωを毛嫌いし避けていた。 立場上、公務や社交を放棄出来ない。  姦計を仕掛けた者達には二度とそんな気が起きない様に徹底的に報復して来た。 健国王の血と持ち上げておきながら、種馬扱いする奴らを完膚なきまでに排除して来た。 そんな事態を見兼ねて、フェロモンを遮断するローブを作ってくれたのはウケイだ。「俺はこの十数年、貴方と兄上の為に忠実に動いて来た」 「それは承知して……」 「兄上を王座に就け、義姉上との婚姻も整えた。少しくらい褒美を貰っても許されるのでは?」「貴殿の献身には感謝しています。ですが……」「私は貴方のお覚悟をただのハッタリで棒に振るつもりはありません。お約束します。彼を傷つけない、と」 公爵はそう言ってウケイの双眸を捕らえた

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    「オルタナはヴィーの何処が好きなんだい?」「えっ……と、どこ……でしょう……」 海千山千の大人三人を相手に、この質問攻めはいつ終わるのだろうか。 そんな事を思うが、王陛下の目はジッとこちらを捕らえて逸らさない。「こうしゃ、いや違った……。ヴィー様はいつも周りの事を考えていらして、僕みたいな身分の低い者にもとても優しい方だと思います」「模範解答だな」「あのっ、それだけじゃなくて……ぼ、僕を凄く大事にしてくれるんです! が、我慢強くて……えと、カッコいいですっ!」 いや、言わされた感! 嘘ではないけれど、誰かの事を好きだと言葉にした事もなければ、カッコいい等と面と向かって褒めたこともない。 って言うか、そんな事を口走った自分に吃驚する。 番契約は祖母の解放を約束してくれた王妃に対価を払う為に、必要な事だ。 公爵に助けて貰うには公爵を助けなければならない。 助けて貰う為に助けなさいって婆ちゃんも言っていた。 酷く利己的な教えだが、商売人の祖母らしい考え方だ。 公爵が動きやすくなるように、必要な事なのだと理解している。 その公爵はどうせニヤついているのだろうと隣を盗み見ると、思いの外嬉しそうでそっちに驚いた。「ぶはっ! あははははっ、素直で結構。オルタナ、そなたの望みを叶えてやろう。ウケイも、それで良いな?」「陛下の御心のままに」「私も妻の友人に一役買えて、株も上がる。だが、タダでと言うのは面白くないな」 そう言った陛下が出した条件に、オルタナは頭を抱える事になる。◇◇◇ 御前を退席する折にウケイが追いかけて来る。  「少し、宜しいですか? 公爵様」「……オーリィ、ここを真っすぐ行くと東棟に渡る廊下がある。その廊下を渡って最上階へ上がると特警の詰所があるから、そこで待ってなさい」

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    「つまり、事件の担当を割り振ると?」 そう聞いた公爵に、ウケイはコクリと頷いた。「現状、王も王妃も派手な動きは出来ない。その上、特警の皆様の負担が大きく、移動や燃費を考えても効率が悪い。得意な者が得意な場所で、事に当たるのが最善かと」「なるほど。それで、お前はどう考えているのだ? ウケイ」「モリガン兵の毒殺、ラカンの種芥子密輸、教会の“聖水”問題、そしてアウルムの件。先の三件は繋がっている可能性が高く、即解決とは行きますまい。しかし、アウルムの件は人的被害が出る前に解決する必要があります」「つまりアウルムの件を自分に任せろ、と言っているのか? ウケイ」「それが一番効率的ではありませんか?」「私情か?」「……私情です」 オルタナは黙って話を聞いていたが、アウルムの件にウケイが当たるのは至極当然に思える。 王が言う私情と言うのが、夜葡萄の研究に関わる事だったとしても、謎の植物の研究者がいると言うのは、不幸中の幸いと言っても過言じゃない。「ふはっ、良かろう。他に望みはあるか?」「オルタナ殿に、私の補佐を頼みたい」 そう言ったウケイが、こちらへと視線を寄こした。「え……?」「あっはっは、ヴィーからオルタナを取り上げるか。やられたなぁ、ヴィー」「公爵様の番の発表は少し後になります故、その間、彼の事は私が必ず守るとお約束しましょう」 公爵は少し沈黙した後、ゆっくりと口を開いた。「良いでしょう。ウケイ殿に貸しを作るのも悪くない」「いや、あのっ……でもっ……」「何だい? オルタナ」「あの、王陛下。ラチア様の側近と言うか&he

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